16.0.28 万年山付近の地層階段【大分県:玖珠町,九重町】

めがね使用16-0-28-3D
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p894。第16章図16.0.28地層階段(2.5万図「豊後中村」より)

大分県西部。これまた特異な地形に驚く。本文によれば,次の@〜Cの4段の小起伏面がある。@万年山(はねやま)付近,A高度1,000〜1,055mで 万年山の南北両方,B高度900〜985mで万年山の東方と南東方,C高度800〜850mで図の南西隅および南部の標高点の838付近。これらの面を囲 む急崖には,「ほぼ同高度で同比高の露岩が数列連なっている。露岩の上下の境が地層界線にほぼ一致すると考えると,この地域はほぼ水平に重なる,少なくと も6枚の強抵抗性岩層(造崖層)と弱抵抗性岩層の互層で構成されていると考えられる。その種の互層は,一般に複数枚の火砕流堆積物の熔結凝灰岩(硬岩)と 非熔結部の成層構造である」。崖麓線が河川に並走していないので,各段は河岸段丘ではなく,「@はメーサ,A〜Cは地層階段である」。

 産総研のシームレス地質図によれば,一帯は前期〜中期更新世の安山岩・デーサイトなどで構成される。本文で説明している熔結凝灰岩と非熔結部との成層構造かどうかなど,詳細については20万分1地質図からでは読みとれない。
 
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