16.0.25b 米代川沿いの差別削剥地形【秋田県:北秋田市】

めがね使用16-0-25b
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p891。第16章図16.0.25b背斜構造の差別削剥地形(2.5万図「鷹巣西部」より)

前図16.0.25aのすぐ東側にあたる。蛇行して西流する大河川は米代川。下田平で南から合流するのは阿仁川。米代川は徯后(きみまち)阪付近で狭窄 部,顕著な谷底幅異常。きみまち坂公園の西の山稜ならびに左岸の三角点159.1から南へ七座山に至る山稜を好例とする顕著な非対称山稜がある。これらは 急崖側に露岩記号が連なっているので,その露岩(硬岩)を造崖層とするケスタである。その硬岩がほぼ南北の走向をもち,米代川の横断部で側刻速度が小さい ために,狭窄部が生じたと解される。さらにこの地域の何列ものケスタ列を追跡して褶曲軸を推定すると,「大平山付近にはNNE-SSW方向の背斜軸があ る。七座山のケスタと増沢川の間の相対的低所に背斜軸が走り,ケスタの造崖層よりも弱抵抗性の地層がこの背斜軸に沿って分布し,図16.0.23の主山稜 部に続いている。丘陵でこれほど顕著な差別削剥地形を生じる岩石は一般に第三紀堆積岩である」と述べている。本文には読図結果も示されているので,立体図 と比較されたし。


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