16.0.22 低透水性岩のケスタ地形【茨城県:太子町】

めがね使用16-0-22-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p886。第16章図16.0.21(2.5万図「町村」より)

茨城県最北部。八溝山のすぐ南。図中の大きな谷(西から腐沢,荒沢,殕石沢など)は,「その両側の尾根の高度に大差がないのに,谷線は流域の中央ではなく て,僅かに西に偏った位置にあり」,谷の西は急斜面で深い谷に刻まれるのに対して,東は緩斜面で浅い谷に刻まれており,「非対称谷である。支谷は等間隔性 を示し,斜面長(流域長)の大きい西面斜面【谷の東側斜面のことだろう】で谷口間隔が大きい。よって,主要尾根はケスタであり,それを構成する岩石はほぼ 南北の走向で,西に傾斜する地層であり,東面斜面が受け盤で,西面斜面が流れ盤であると解される」。引用文中の”よって”が??である。さらに「図 16.0.21に比べて,この地域では谷密度が大きく,斜面も急峻であるから,この地域の岩石は強度が大きく,低透水性であると推論される」というのも少 し安易すぎはしないかと。

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