15.6.11 小渓流の土石流【広島県:安芸太田町】

めがね使用15-6-11-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p859。第15章図15.6.11土石流による被災地域(2.5万図「加計」「坪野」より)

広島県北西部。太田川は北西へ流れる。本文には「1回の豪雨に起因して多発した土石流で荒廃した地区」を黒色で塗りつぶして示しているが,左図ではその黒 色部の最上流地点(土石流発生地点とみなす)に×印をつけた。「どの土石流も上位または下位の侵蝕前線の下方の谷底で発達しており,しかも顕著な崩落を 伴っていないから,谷底堆積物が土石流として移動したと解される」。江河内や西調子など大規模な土石流の最下流部に古い沖積錐が発達しているのは,土石流 が何度も発生し,沖積錐が成長してきたことを示す。鵜渡瀬など「古い沖積錐でも土石流災害が無かった地区もあるが,それは偶然にすぎない」。ここでいう災 害は,1988年7月豪雨のときのもので,江河内地区だけで死者10人を数えたという。一帯は白亜紀花崗岩で構成されている。

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