15.5.8 倶留尊山付近の地すべり地形【奈良県:曽爾村】

めがね使用15-5-8-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p825。第15章図15.5.8尾根移動型で頂部凹凸型の地すべり地形(2.5万図「倶留尊山」より)

奈良県の東端。赤枠右上の倶留尊山(くろそやま)は三重県境。序章 最初の問題(その4) と同じ範囲。”図[赤枠]の中央部の東海自然遊歩道ぞいに緩傾斜な谷底をもつ広義の谷がある。その谷頭部に凹地と二つの突起(標高点728とその南)があ り,それらを囲むように亀山から北に続く円弧状の尾根とその西の急斜面がある。この相対的低所の成因を次の手順で考えよう。”とあって,@接峰面の認識, A地すべり滑落崖の認識,B相対的低所の地の的認識,C相対的低所末端の認識,D全体的考察,という手順を経て結論は「倶留尊山から標高点996に直線的 に伸びる高い尾根が亀山との間で東に湾曲し低下しているので,尾根移動型であり,かつ凝灰角礫岩の下位の軟岩層(流れ盤)にすべり面をもつキャップロック 型であると解される」。p825には読図結果概要図(地形分類図)も載っているので3D図と比較されたい。
15-5-8地すべり分布図
なお産業総合技術研究所の地すべり分布図を左に掲載した(えっ!こんなに地すべり地形が?と思ってしまう)ので,これと3D図また鈴木氏の読図結果を見比べるのも興味深い。

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