15.5.17 高法知岳付近の地すべり地形【長崎県:松浦市】

めがね使用15-5-17-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p831。第15章図15.5.17階段型の地すべり地形(2.5万図「江迎」より)

長崎県北部。まず北流する志佐川が赤枠中央右寄りで谷幅が狭くなっていることに注意する。右岸左岸ともに高度300〜400mの山頂小起伏面がある。その 下方斜面は右岸側ではやや急傾斜で,凹地・池沼・小突起の少ない(少凹凸型)多数の小規模地すべり地形がみられる。左岸側は斜面長の長い小突起をもつ緩斜 面で,ほぼ全域が,山頂小起伏面に接する急崖を滑落崖とする地すべり地形である。さらに細かく各地すべり地形の特徴を述べた上で,こう結論付けている。 「以上のような,志佐川両岸における地すべり地形の発達状態における非対称性からみて,志佐川左岸の主滑落崖基部の遷緩線にほぼ一致する不整合面(北西に 3度程度で緩傾斜)があり,その上位に硬岩層があり,その下位に地すべりを起こしやすい軟岩層(東方に緩傾斜?)があって,東面斜面に大規模な流れ盤すべ りで,かつキャップロック型の地すべりが多発したと解される」。
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