15.5.15 銅山川沿いの地すべり地形【山形県:大蔵村】

めがね使用15-5-15-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p830。第15章図15.5.15階段型の地すべり地形(2.5万図「肘折」より)

山形県の中央部,月山と葉山の間を北流する銅山川沿い。11.4.8図のすぐ北東にあたる。下湯ノ台・蕨野などは火砕流による平坦面(台地)。赤枠内では この台地以外はほとんど地すべり地形といってもいいくらい。もっとも大きいものは下湯ノ台から北方へ向かうもので「南山の注記を囲むよう円弧状の並流谷が 並列している。それらの間には,円弧状の尾根群もあるが,平坦な部分もあり,北方ほど低く,階段状に低下している。これらは円弧状の回転地すべりが北から 南へと純に発生した階段型の地すべり地形である」など。

15-5-15-地すべり
いつものように防災科学技術研の地すべり地形分布図を掲げる(本文にも 鈴木氏の読図結果が図15.5.16として載っている)。鈴木氏の解説には「火砕流堆積物の下位に,地すべりを発生しやすい泥質岩が広く分布し,銅山川の 下刻にともなって,地すべりが発生したのであろう。火砕流堆積物は部分的に熔結している可能性があるので,キャップロック型地すべりで,階段型の地すべり になったのであろう」とある。
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