15.4.8a 九頭竜川の大規模土石流【福井県:大野市】

めがね使用15-4-8-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p808。第15章図15.4.8a大規模な土石流碓(2.5万図「荒島岳」より)


北西流する九頭竜川(右上の大河)が大野盆地に抜けた地点。九頭竜川と南の真名川との間に河岸段丘のような台地が広がる。左図ではわかりにくいが等高線を 追ってみると,九頭竜川の谷口を中心(鈴木さんは「頂点」)とする同心円状である。また現在はほとんどフラットな水田地帯であるが,耕地整理される前は多 数の小丘が存在していた(本文p808の旧版地図参照)。本文に掲げられた2.5万図は昭45測で,この台地の南半分と北端が耕地整理され,北西部を中心 に小丘が「群在」するのを見ることができる。したがってこの台地は通常の河岸段丘ではありえない。では何か。で,次の15.4.8b(この図の東にすぐ続 く地域)を見よ,となるのだが,結論を言ってしまうと,「超巨大な土石流が発生し,(九頭竜川の)谷口から低地に直進してイチョウの葉のように広がり」台 地を形成した。「台地の小丘群はその土石流による流れ山であり,天然ダムに含まれていた多数の巨大岩塊を核としているのであろう」となる。いやーまったく 現在の地図だけ見てもだめということがよーく分かった。
 
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