15.4.7 谷頭の基盤崩落からの土石流【青森県:深浦町】

めがね使用15-4-7-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p807。第15章図15.4.7谷頭の基盤崩落からの土石流(2.5万図「大間越」より)


青森県の日本海側で最南端。秋田県境に近いところ。赤枠の右上端付近,「三角点869.8の西方に崩落斜面があり,そこから崩落物質が土石流となって流下 し,津梅川を堰止めて天然ダムを形成し,さらに海まで流下したと解される。標高点57の西と北の高度約100mの段丘状地形はその天然ダムの残片であろ う。天然ダムの下刻は狭窄部で,その上流に幅広い谷底低地がある。津海川の注記付近の両岸の高度約110mの細長い段丘は湖成段丘である可能性が強い。 よって天然ダムは,最低所の高度が110m,比高が約50m,縦断長が約1kmであり,かなり長期間にわたり存在し,徐々に下刻されて消失したと解され る。」(そのまま引用した)

  なるほど地形の成り立ちがよく理解できる。ただ細かいところで,「標高点57の西の高度約100mの段丘状の地形」がどこを指すのか。西で なく西南西の100m等高線の張り出し部だろうか。もうひとつ「津梅川の注記付近の両岸の高度約110mの細長い段丘」とある北岸は明瞭だが,南岸はどこ を指すのだろうか。まさか幅20〜30mの段丘ではないのだろうな。なおこの図のすぐ北側は「11.3.4」になる。一緒に観察するのも一興。
 
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