15.6.8 帰雲山の大崩落と土石流段丘【岐阜県:白川村】

めがね使用15-6-8-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p857。第15章図15.6.8新旧の沖積錐 土石流段丘と大規模崩落(2.5万図「平瀬」)

岐阜県は北西端に近いところ。左上の水面は鳩谷ダム湖。「帰雲山の西方に大規模な崩落地があり,その崩落堆は標高点1002付近のほか,庄川の右岸と左岸 (保木脇付近)に残存している」。保木脇西方には庄川の流れる方向に,高度590〜650mの古期崩落堆と高度575〜590mの新期崩落堆が分布し,崩 落堆が2度にわたって「庄川を閉塞し,それが下刻・切断された」と考えられる。本文では弓ヶ洞谷の谷口の沖積錐についても解説があり,また図画南東部の 「野々俣谷となお谷では,緩勾配のため,谷口まで土石流は到達していない」と記している。

 帰雲山といえば1586年の天正地震(M7.8か?)のとき,大崩落によって庄川沿いにあった帰雲城とその城下町が完全に埋没した(死者千人 以上?)故事で有名。本文で詳説されている大きな崩落堆をもつ弓ヶ洞谷の源流は三方崩山(2058m)で,天正地震でこちらが大崩壊したという考えもある ようだ。
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